本記事は農業のコンテンツマーケティングについて取り上げる。このテーマを選ぶ背景は、農業のIT化を伴うビジネス環境が整いつつあり、データの活用と合わせたマーケティングの応用余地があり、かつその市場の拡大が予測されていることがある。

 

また、農業ストーリーのコンテンツとして表現したのは、農業に関わる諸活動、および差別化を含むその活動の中身に関わる「物語の総体」が、マーケティングに直結してくると考えるからである。

 

目次

 

 

1.農業のマーケティングにおける着眼点をどう定義するか 

 

 

「このプロセス、この中身が伴っているからこの製品は良い」と主張するには、着眼点の整理が必要である。本記事では、データとプロセスの関連付けでの客観性の担保の観点から、2つの手法を紹介する。

 

 

1つ目は、「粗利=単価×数量‐費用」の関係から、どの会計要素に作用するのか明示させる方法である。例えば、組み合わせで新技術を用いて農業の革新を図る場合、製品の付加価値を上げる技術の紹介は消費者向け、数量の増加・費用の削減に寄与する技術の紹介はビジネスパートナー向けであったりする。

 

 

もう1つは、バリュー・チェーンに着目した他者との差別化要因の明示である。農業のプロダクト・サイクルは、時間的な長さと合わせて、付加価値が生じる構成プロセスも多数ある。生鮮品としての品質向上の観点から、どのプロセスでも工夫の余地が常に存在し、随所での他者との差別化を伴う工夫の総体が製品のブランド価値を構成している。

 

このことをマーケティングとして取り扱う場合、個別箇所での強調と製品ができるまでのストーリー性を合わせたものになる。つまり、バリュー・チェーンでの差別化と同時に、製品が作られるまでの物語としての差別化が分離できないものとなっている。

 

 

2.一点主義と総花主義のバランスをどうするか

 

 

マーケティングの訴求として、一点主義での主張が単純でわかりやすい。しかし、農業そのものは数多くの工夫の積み重ねで成立しており、その中身に関わる「物語の総体」を丁寧に伝えようとすると、総花的になって情報発信者の主張があいまいになってしまう。

 

マーケティング担当者は、対象の農産物の独特の物語を考慮し、情報を取捨選択し、かつ情報の受け手にそのプロセスの機微が伝わる方針立てが必要となってくるだろう。

 

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松島和史
代表・DataStrategist
主にサプライチェーン産業のノウハウを活かして、生産・物流・販売の統計を用いたデータ解析の設計から解析・改善の深耕まで実践中。モノから人へ。マーケティング視点と業務視点両方ありのプレイングマネージャータイプ