スカンク・ワークは、組織の影響から独立して個人としての高いモチベーションを伴った活動ができることから、革新的な成果につながるイノベーションの萌芽として有力である。一方で、マーケティングの基本を構成しているのは、経営本体を含む他部門と最終顧客の動向との連携の要素である。

 

このことから、マーケティング部門がスカンク・ワークを実務的な成果を念頭に置きつつ実践しようとすると、どうしても共同作業が絡んでくる。他方で、スカンク・ワークの基本を構成しているのは、小さなチームまたは個人の自主性である。

 

それらの意味合いから、マーケティングに関わる方がスカンク・ワークを行う場合は、個人のモチベーション管理と他部門との上手い連携の両立が必要と考える。そこで、本テーマをスカンク・コワークとして、他部門間に渡る広義の共同性を含めたスカンク・ワークについて取り上げる。

 

目次

 

 

1.マーケティング部門の役割の視点と「個人」の研究開発

 

 

本稿でマーケティング部門のスカンク・ワークを考えるに当たって、寡聞にして事例が他部門よりは相対的に少ないように感じる。その背景に以下の二点があると考える。一つは、スカンク・ワークそのものが狭義にはある種の「専門性」の下、「個人または小さな人数単位のチーム」での活動であること。もう一つは、マーケティングの業務内容が他部門に比べて共同性が高いものであるため、「個人の志向」の比重が構造上小さくなってしまうことである。

 

 

マーケティング部門の役割の特徴は、比較的広い汎用スキルを活用して他部門と連携して付加価値を生むことであるので、それを上手く活かしたスカンク・ワークの形式を採用するのが自然な流れと考える。その場合、前段からのスカンクワーク構成人材の専門性および個人または小さな単位の開発の形式と対立することになる。

 

 

ここで、スカンク・ワークスの実践の際には、マーケット部門の構成員は、改めて「個人として」の研究開発で、自らの興味の出る専門性を鍛えつつ「他の専門部門の方々」を巻き込みつつ実践する、ということが推奨されると考える。

 

 

 

2.レベル向上による「他部門」への人材供給機能としてのマーケティング部門の視点

 

 

マーケティング部門としてのレベル向上を考える場合、個人のスキル向上を図ることは有力な一案である。個性を生かしたスカンク・ワークの活動がマーケティング部門で行いにくい背景として、前節の役割面に加えて、人材の流出の際に組織の縦割り機能が働いてしまっていることが思い浮かぶ。

 

 

このことは、マーケット部門に人材を呼び込む際は、他部門の専門性をマーケット部門に生かす、組織機能の横展開はあり得るが、マーケット部門から他部門へは、その部門の縦割りと専門性の観点から避けられる傾向が出てしまうことに見られる。

 

 

マーケット部門発のスカンク・ワークは、個人のスキル向上のみならず、他部門へのマーケット観点のある人材を供給することで、マーケット部門と他部門の総価値の向上に寄与すると考える。

 

 

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松島和史
代表・DataStrategist
主にサプライチェーン産業のノウハウを活かして、生産・物流・販売の統計を用いたデータ解析の設計から解析・改善の深耕まで実践中。モノから人へ。マーケティング視点と業務視点両方ありのプレイングマネージャータイプ