PDCAサイクルは、ビジネスの改善プロセスの代名詞として定着しているといっても過言ではない概念である。本記事では、現行定着しているPDCAサイクルの応用を念頭に入れて、加えてデータ・マーケティングとの関連付けを含めて、改めて確認箇所を検討してみることにする。
目次
1.PDCAサイクルにおける力点を意識しているか
PDCAサイクルは、ビジネスにおける連続する時間観点の下、そのサイクルを常に回して運用することが暗黙的になっている。その個々のPlan・Do・Check・Actonのどのプロセスに力点を置いているか、または置くべきかの議論は、サイクルとしての全体運用の観点から相対的に軽視されがちである。
そこで、本記事では具体例を通じて、個々のプロセスに着目してみる。
PDCAサイクルのCheckとActionに力点を置いている例として、コンビニエンスストアの新商品の発売種類の多さと商品入れ替わりがある。コンビニエンスストアでは、新商品が短期間に数多く登場し、同時に短期間で商品棚の商品が入れ替わる、というサイクルがみられる。
この事例をPDCAサイクルに当てはめて考える場合、相対的にCheckとActionに力点を置いている。また、このサイクルを情報システム側で支えている、POSシステムの運用の一側面として、短期の売れ行きの結果からの商品入れ替えの判断を取り決めてるとも、とらえることができる。
次に、PDCAサイクルのPlanに力点を置いている例として、アパレル業界を取り上げる。PDCAサイクルとして考える時間範囲を一季節とした場合、商品設計で消費者の購買志向に適合していることが、よく売れる商品の基本要件となり得ることから、Planは非常に重要である。
なお、このPDCAサイクルでのPlan重視の考え方は、サプライチェーンにおける上流プロセスを重視する考え方にもつながっており、製造小売業と訳されるSPAのビジネス形態の採用主要な判断要因となっている。
このように、PDCAサイクルでの力点を意識することで、対象時間軸または対象プロセスのへ着目、その結果としての組織管理上の権限の課題の整理にもつながってくる。こうした活動が業界の特徴の把握、自組織の強みの確認と合わせて、マーケティング・ポリシーの再定義への一助になるものと考える。
2.PDCAサイクル改善定義域を通じたITシステムとマーケティング・ポリシーの整合性の確立へ
前段までの整理を通じた結果として、PDCAサイクルの範囲のとらえ方と同時にビジネス上の改善のできうる範囲も明確になってくる。
さて、現代のビジネスにおいては、一般的に改善活動の実施にはITシステムとの連動が不可欠である。特に、データ・マーケティングにおいては、客観性のあるデータを取り扱う関係上、他部門よりも実業務での実行可能範囲とITシステムでの解決可能範囲との整合性が求められ、またデータ活用観点から取り扱う課題は部門間に渡る。
PDCAサイクルにおける力点、またそのサイクルの時間発展性を認識することは、自社のITシステム要件とマーケッティング・ポリシーの整合性の確認と、組織部門間の課題とマーケッティング・ポリシーの関連付けを明示するには良い機会といえる。
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| 松島和史 |
| 代表・DataStrategist |
| 主にサプライチェーン産業のノウハウを活かして、生産・物流・販売の統計を用いたデータ解析の設計から解析・改善の深耕まで実践中。モノから人へ。マーケティング視点と業務視点両方ありのプレイングマネージャータイプ |